こんにちは。
群馬県高崎市の熱帯魚の水槽レンタル・メンテナンスサービス専門店「美ら海」です。
本日は「ロイヤルダムセルの魅力と飼育のポイント」について解説いたします。
目次
ロイヤルダムセルは、体の上半分が深いロイヤルブルー、下半分が明るい黄色というくっきりとしたツートンカラーが特徴の小型海水魚です。
正式な学名はChrysiptera hemicyaneaで、和名では特定の標準和名が付けられていないこともあり、英名そのままの「ロイヤルダムセル」や「ハーフブルーダムセル」と呼ばれることが一般的です。
体長は最大でも6〜7cm程度とコンパクトながら、目を引く体色と泳ぎの俊敏さで、60cmクラスの水槽でもよく目立つ存在です。美しいだけでなく、丈夫で飼育しやすいという点から、初心者にも安心しておすすめできる魚種のひとつです。
ロイヤルダムセルはインドネシアやフィリピン周辺を中心とした熱帯のサンゴ礁に分布しています。サンゴの間を縫うように泳ぎ、小さな甲殻類やプランクトンをついばみながら暮らしています。
小さな体でありながら縄張り意識は強く、自然界でも一定の範囲を他の魚に侵されないように守る行動が見られます。この性質は水槽内でも見られるため、混泳やレイアウトには少し工夫が必要です。
ロイヤルダムセルは非常に丈夫な魚で、水質への適応力も高いため、30〜45cm程度の小型水槽でも飼育が可能です。ただし、他種との混泳や複数匹の飼育を考える場合は、より広めの60cm以上の水槽を用意すると安心です。
泳ぎは活発ですが、特に強い流れを好むわけではないため、水流ポンプは弱めに設定するか、流れが一方向にならないように調整しましょう。
水槽内にはライブロックを配置し、隠れ場所を複数確保しておくことで、縄張り争いやストレスの軽減に役立ちます。
比較的飼育しやすいロイヤルダムセルですが、他の海水魚同様、水質管理は基本です。以下のようなパラメータを目安に維持しましょう。
・水温:24〜27℃
・比重:1.023〜1.025
・pH:8.1〜8.4
・硝酸塩:10ppm以下を維持
外掛けフィルターや上部式フィルターでも飼育可能ですが、より安定した環境を目指すならプロテインスキマー付きのオーバーフロー水槽が理想的です。
ロイヤルダムセルは食欲旺盛で、人工飼料にもよく馴染みます。導入直後から粒餌やフレークに反応する個体も多く、餌付けに苦労することはほとんどありません。
おすすめの餌としては、以下のようなものがあります。
・粒状のマリンフード(小型魚用)
・フレークタイプの餌
・冷凍ブラインシュリンプ(おやつ程度)
・微細な冷凍プランクトン類
1日2回程度、数分で食べきれる量を与えるようにし、食べ残しが出ないよう注意しましょう。過剰給餌は水質悪化の原因になります。
ロイヤルダムセルは美しい見た目とは裏腹に、縄張り意識が強く、特に同種や近縁種に対しては攻撃的になることがあります。
混泳を行う際には、以下の点に注意が必要です。
・同種を複数飼う場合は、一度にまとめて導入し、数を多めにすることで攻撃が分散されることがあります。
・他のスズメダイ類、ベラ類、小型ヤッコとの混泳は水槽サイズと隠れ場所の配置により調整が必要です。
・温和な魚種(テンジクダイ、ハゼなど)は、いじめられる可能性があるため慎重に判断します。
十分なスペースとライブロックの工夫により、混泳の成功率は高まります。導入する順番も重要で、先におとなしい魚を入れ、後からロイヤルダムセルを追加すると、縄張り意識を緩和できる場合があります。
ロイヤルダムセルは、丈夫で飼いやすく、人工飼料にもよく慣れることから、初心者にとって理想的な入門魚のひとつです。
また、照明のもとで美しく映えるその体色は、水槽の景観を大きく引き立ててくれる存在です。
その反面、縄張り意識が強くなる場面もあるため、環境構成や混泳相手への配慮は忘れてはいけません。
正しい飼育環境と知識を持って迎え入れれば、長く付き合える魅力的なパートナーとなるでしょう。
ロイヤルダムセルは、深い青と黄色のツートンカラーが美しいスズメダイの一種です。小型ながら存在感があり、丈夫で人工飼料にもすぐ慣れるため、初心者にも扱いやすい魚種です。
一方で、縄張り意識が強く混泳には工夫が必要ですが、レイアウトや導入方法に気を配ることで、問題なく共存が可能です。
水槽に彩りと活気を加えたいとき、ロイヤルダムセルは頼もしい選択肢となってくれるでしょう。